サービスを提供する事業者が増えてきた格安スマホ、格安SIM(MVNO)。携帯電話の利用料金を抑えようとキャリアから移行する人も増えてきていますが、全国の消費生活センターには、MVNOに関するトラブルの相談が増加傾向にあります。
トラブルの相談件数が年々増加
国民生活センターによると、近年、MVNOの利用者が増加するとともに相談件数が増加しており、2011年度、12年度は20件前後だったのが、14年度は139件、15年度は380件と急増。2016年度には前年度比約2.8倍となる1,045件の相談が寄せられました。
MVNOは、自社で回線設備を持つ大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。通信設備を維持する必要がないことや実店舗を持たない事業者も多く、運営コストを抑えることで、消費者に安価な料金でサービス提供する仕組みです。
キャリアの料金に比べて大幅に安いプランが利用できることから、利用者も年々増加傾向にあり、MMD研究所調査のデータによると、2016年10月時点で格安SIMの利用者は約12%、メインで利用しているユーザーは約6%となっています。
「利用中の端末でSIMカードが利用できない」など
しかし、MVNOに移行することで発生するデメリットも存在します。ただ料金が安くなることだけでなく、今までは無料で利用できていたサービスが有料になるなど、何が利用できて何が利用できなくなるかを調査して検討する必要があります。
国民生活センターに寄せられた相談例では、実店舗をもたない事業者の場合、問い合わせ方法は電話やホームページのみに限られていたり、電話もつながりにくいなど、スムーズに問い合わせできないことも。また修理を依頼する場合、キャリアでは代替機の貸し出しサービスが提供されていますが、MVNO事業者によっては貸し出しを行っていない場合もあります。
また多くのMVNOでは端末とSIMカードを別々に購入できるのですが、SIMロックがかかった端末の場合は、ロックを解除しないと他社のSIMカードが利用できないという制約があります。この仕組みを知らずにSIMカードを契約してしまったケースや、購入した中古端末でMVNOのSIMカードを利用しようとしたところ、端末費用の未払いが発覚した…などもありました。
iPhoneで格安SIMを利用する上での注意点
iPhoneでも格安SIMを利用できます。キャリアで購入したiPhoneの場合は、SIMロックを解除することで、他のキャリアの回線を利用した格安SIMカードでも利用できるのですが、注意点としてSIMロックを解除できるのは原則、iPhone6s以降です。
これは2015年4月にSIMロック解除が義務化されたことによるもので、2015年5月以降に発売された機種のみが対象となるためです。iPhoneシリーズでSIMロックを解除できるのは、iPhone7、iPhone7 Plus、iPhone SE、iPhone6s、iPhone6s Plusとなります。
SIMロックを解除するには、端末を購入してから一定の日数が経過していること、またSIMロック解除ができる機種であることが前提となります。
解除までの期間は、ソフトバンク、au、ドコモとも6カ月以上(181日目以降)と定めていますが、新ガイドラインにより、割賦払いの場合は100日、一括払いの場合は支払いが確認でき次第と、期間が短縮される予定です。
しかし契約するMVNOの利用回線が同じキャリアの場合は、SIMロックを解除しなくてもそのままSIMカードを入れて利用できます。例えばドコモで購入したiPhoneを利用していて、ドコモを解約後にドコモ回線を利用したMVNOと契約する場合などです。
またSIMフリー端末の場合は、SIMロックがかかっていないため、解除する手続きなどは必要がありません。SIMフリーのiPhoneは、Apple Storeで購入できます。
格安SIMは携帯電話料金を大幅に抑えられるメリットもありますが、MVNOで利用する回線によって、例えばテザリングに対応していないなど、これまで利用できていたサービスが利用できなくなることもあります。移行を検討している場合はサービスの内容をよく確認し、自分に合っているかを入念にチェックしましょう。
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